前川:はい、今日はですね「『まだ痛い』…その時にどうするのか」っていうのをテーマでお話ししていきたいと思います。
これは、治療家永遠のテーマだと思うんですけども、つらいですよね、この「まだ痛い」って。
「先生、まだ痛いんですけど」ってこれ言われんの。
ギクギクってしますよね?
森田:ギクギクってします。
前川:何か、自分に責任をやられてるような感覚に陥ると思うんですけども、このときに「どのように対処していけばいいのか」っていう部分をお話ししていきたいなと思うんです。
けども、まあクレームではないわけですけども、こういうふうなことを言われたときって、みんなピンチって思うんだけども、逆にチャンスですよね。
こういったときに、どのように対応するのか、対処するのかで信用を勝ち取ったりとか、逆に失ったりとかしていくわけなので、出てきたらチャンスみたいな感じですね。
いわゆるタイミングって、大きく分けて2パターンあると思うんですよ。
治療後、治療終わった後に「先生、まだ痛いんやけど」って言われる場合と、ガラガラーッて入ってきたときに「先生、まだ痛いんやけど」って治療が始まる前に言われるパターンと、大きく2パターンが思うんですけども、モリさん、ありました? こういうの。
森田:あったと思います。治療……どっちもあるでしょうね。
前川:もう覚えてないでしょ? やらなすぎて。
森田:はい、もう4年間ぐらいですね(笑)。
でも、ありました。絶対、はい。
前川:ありましたよね? 僕も絶対ありました。
森田:「言われへんかな?」っていうふうに不安やった自分もいましたね。言われるかな、言われへんかな……。
前川:そうですよね?言われるの嫌じゃないですか?
言われて「よっしゃ」って快感感じる人はいないと思うので、まず言われないようにしていかないといけないと思うんですね。
治療後に「まだ痛い」と言われる場合
前川:で、治療後に言われる人、これは面白いんですけど「根本的に治します。原因を取り除いていきます」って言ってる人、めっちゃ多いと思うんですよ。
「原因を取り除きますからね」って言っといて、治療終わった後に「また痛いんやけど」って、これ、おかしくないですか?
それにあたふたしてる自分っておかしくないですか?
だって、「原因を取り除いて、しっかり自然治癒力で治していきますね」って言ってるにもかかわらず、その場の結果を求められててあたふたしてるんですね。
それがダメなんですよね。言ってることとやってること、ずーっと一貫して同じことをしていかないと、信用、信頼っていうのは失っていくんですよ。
なので、もし治療後に言われてるんであれば、治療前の説明、ここを徹底的にやっていってください。
「○○さんの問題はここですからね。うちではこの問題を取り除いていきますよ」と、「この問題を取り除いた状態をしっかりキープしていったら、○○さんの問題は解決しますからね」っていうのをしっかり伝えきらないといけないんですね。
これ、僕はよく言うんですけども「治療って何なのか?」っていうと、相手のコンサルをしてるんですよ。
相手の人生コンサルをしてるんですね。コンサルタントと一緒なんですよ。
「何であなたは痛くなったか分かってますか? どうすれば良くなるか分かってますか?」と、考え方、思考を変えてあげないといけないんですね。
「何かしてもらった後に、楽になる。ならないとおかしい」って思ってる、その思考を変えないといけないんですよ。
もちろん、どんな症状であってもその場で痛みを取ってくれるゴッドハンドっていうのは、世の中にもしかしたらいるのかもしれない。
それを目指すのはいいことだけども、あなたがそれに到達してない段階で、診ている人たちにそれを出そう出そうとしてたら、相手が不幸になるんですよ。
相手が、その考え方でやっていって「あなたが出せないんだったら、治らないじゃん」、だから、思考を変えてあげるんですね。
なので、しっかりと説明をしてあげる。
その説明をしたうえで言われたら、「説明しましたよね? 僕が説明したことをもう1回言ってくれますか?」って言わせるんですね。
「ね、すぐ変わらへんって、あんた分かってるでしょ? 何で求めてくんの?」っていうのを追求していくんですね。
そういうふうにしていって、相手の思考を変えていってあげて、卒業させていってあげる。これがすごい重要なことです。
僕たちは、その場どうこうはもちろん大事だけども、相手の人生を、来てくれたからには良い方向に最終向かわせてあげることができればいいわけじゃないですか。
だから、そこをしっかり自分たちが自覚しないといけないです。
治療後言われる人は、これをしっかりやってくださいね。
来院時に「まだ痛い」と言われるとき
前川:じゃあ次、来院時に言われるとき、これはあるんですよね。
ガラガラーッて入ってきて、もう完全に雰囲気で分かるわけですよ。
「何か違う」と、「これは経過が思わしくないな」という場面が、きっとあると思います。
気付くはずなんですね、先生も。
「あ、絶対言われるわ」ってビクビクしながら待ってると思うんです、ほとんどの人が。
そして相手から「先生、これほんまに良くなんのかな? まだ痛いんやけど」みたいなことを言われるんですよね。
これを言われたらもう負けなんですよ。負けね。
来院時に相手があやしいなと思ったらこれです。
「まだ痛いですよね?」とか、まあ「痛い」って言葉はあまり使わない方がいいんで、「まだ変化ないですよね?」って、こちら側から先に言います。
「○○さん、まだ変化してないでしょう?まだ状況良くないですよね?」って言ったら、向こうは「そうやねん。先生、何でなん?」「ですよね?」と、分かってますよっていうことをしっかり伝えて、「それはこうだから大丈夫ですよ」って説明してあげて、「そりゃそうだ」と堂々と伝えてあげたら相手も安心しますから。
でも、これを相手から言われてこちらが言うと、言い訳になるんですよね。
言い訳になるのか、ちゃんと相手を安心させるのかって、同じことを言っててもタイミングが違うだけで、全然伝わり方が変わるんですね。
だから僕たちって、大事なのは相手を見て「相手が今どんな感情抱いているか?どういうふうなことを思っているか?」を、常にアンテナを立てとかないといけないんですね。
だから、コンサルなんですよ。
相手の人生をどうコントロールしてあげるのか、どういうふうに良い方向に持っていってあげるのかっていうのをしっかりとしていかないといけないので、この治療後とか来院時に「まだ痛いんです」って言われるのであれば、こういった部分をしっかり意識してやっていってみてください。
本当にこれをすることによってリピート率が上がるし、こういったことを考えて日々患者さんと接することによって、患者さんの改善率っていうのがむちゃくちゃ上がります。
治療技術を磨くよりも上がるようになるので、ぜひ、だまされたと思って取り入れて、やってもらえたらと思うんですけども、森田さんどう思います?これ。
森田:やっぱりあらかじめ言うっていうのは、何でしょう……「おお、なるほど!うまっ!」って思いました。
前川:ほんまですか? 良かったです。預言者ですね?言ったら。
森田:後出しはあかんですよね?
前川:後出しはあかんです、ほんとに。何でも先出しですよ。
森田:「変化ないですよね?」って言われると、「いや、ちょっと良くなりましたけどね」っていう、そういうプラスを引き出せるかなっていうのも思いました。
前川:そうですね。
森田:やっぱりネガティブに考えちゃうので、それは「まだ痛いですよ」って言われるのか、「いや、前よりはましですけど」っていう、その違いって大きいのかなって……。
前川:大きいですね。そうですよね。
本当に、相手に何を言わすかっていうのは、めっちゃ大事ですよね。
言葉ってすごいそのときの気持ちも乗っかってくるんで。
で、意外とね「先生、結構ようなってんで」って言う人もいますよね。
「え?マジで?」みたいな、結構あるんですよね。
森田:「何でそんな取れてんねん」みたいな(笑)。
前川:「そんなことないやろ」っていうときもあるんで、ほんとに面白いと思うんですけども、そうやって相手を見て自分の人を見る目というか、人の感情を見る目を養うというのもすごい重要になってくるんで、ぜひぜひ挑戦してもらいたいと思います。
今日は、「『まだ痛い』…その時に!!」っていう部分でお話しさせていただいたので、ぜひこの動画を見て、すぐにこういった出来事があったときは僕のことを思い出してもらって、この対応をしていただけたらと思います。
では、また次回の動画でお会いしましょう。さいなら。
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