はい、前川です。
今日は患者さんに「まだ痛いんですけど」と言われたときの対応策について、お伝えしていきたいと思います。
治療院を経営していると必ずありますよね。
「先生まだ痛いんだけど」「先生いつになったら治るの?」みたいな、こういった治療家が聞きたくない言葉BEST3に入るような「まだ痛いんだけど」というこの言葉。
この言葉を言われたときに、先生はどういった対応をしていますか?
このときの対応が、患者さんに安心感を与えたり、不安感を与えてしまったり、ここで治療家としての技量が試されるんですね。
だからこの場面で先生が、バシッと「治せる治療家なんだ」っていうのを見せつけないといけないんですよ。
なのでこれは大ピンチです。こういった言葉を言われるのは、すごいピンチなんだけども、ピンチはチャンス!ピンチにしかチャンスはないんですね。
なのでこのピンチをチャンスに変える対応策について、この動画でお伝えしていきます。
1つ目の問題
まずこの言葉を言われるには、大きく分けて3つの問題があります。3つの問題。
まず1つ目。1つ目は患者さんが先生のことを信用していないといことが問題です。しっかり先生のことを信用していたら、イチイチそういったことは気にしないんですね。
「もう先生を信じてついていくわ」「うん!やるっ!!」ってなっていくんだけども、「いやぁ先生痛いんだけど…痛いんだけど…」って毎回言われてたら先生のことを信用してないんですよ。
なので「痛いと言われないようにする」ではなくて、その前に何故そこで信用のこの関係性を築けていなかったのか?
ここの関係構築というのを先生は見直していく必要があります。
じゃあ何故関係構築ができていないのか?これは相手のことを理解していないからなんですね。
初回にしっかり、相手がどういったことで悩んでて、いままでどういったことを受けてきてて、受けてきて良くなってないことによってどんな感情になっていて、それでも治したい。
じゃあ、何故治したいのか、どういう風になっていきたいのかっていう部分をしっかりと初回の段階で聞いてあげる。こういったことをしてこなかったことが原因になってます。
なので、「痛いって言われてるけどどうしたらいいのかなぁ?」まあ、もちろんその対応策も大事なんだけども、その前にそうなってしまった、その状況を作ってしまった原因っていう部分をしっかりと解消するようにしていってください。
2つ目の問題
そして2つ目。2つ目は先生の考えを理解していない。
これは先ほどの部分と対応策は似ているんですけども、やっぱりちゃんと相手のことを理解していないから、相手も僕たちのことを理解しようとしてくれないんですよ。
やっぱり人って「自分のことをまず理解して」なんですよね。
「私のこと分かってよ!」「なんで感じてくれないの?」「なんで伝わらないの?」って思ってるんですよ。
それをちゃんとこっちが汲み取っていない段階で、自分が思うことを伝えたとしても相手には入っていかないんですね。
だから初回の段階で相手がどのような感情で、どういったことを考えているのかということをしっかりとヒアリングをしてあげることが重要になってきます。
これをしっかりしたうえで、先生は自分の考え方とか、「〇〇さんの身体だったらこうしていった方がいいですよ」っていう部分をお伝えしていきます。
そうすることによって、相手は納得してやってくれるんで「ああ、先生の考え方はこうだもんな、だからこの調子でいいんだな」と思ってしっかりとついてきてくれます。
なので、ここの部分もしっかり対応をしてもらいたいと思ってます。
3つ目の問題
で、3つ目です。3つ目、未来が見えていないです。
患者さんが「ここ来ててほんまにいけるんかなぁ…」「ちょっと駄目なんちゃうかなぁ…」「いままでと一緒違うかなぁ…」っていう風に思われてるからなんですね。
これって、じゃあなんでそんなことが起こるのかなんですけども、やっぱりさっきと一緒で、分かってるというのはもちろん大事なんですけども、分かっていたとしても、しっかりと変化っていうものをちゃんとこちらが伝えてあげないといけないんですよ。
やっぱり患者さんとしては、痛みが10あっても、7あっても、6あっても痛いんですよ。
痛いのは痛いんです。
でも、そうじゃなくて「あっ、いまこういう痛みがありますけど、こうなってきてますよね」「〇〇さん訴えがこうなってきてますよ、カルテ見てください。訴えをちゃんと書いてるんですけど、こうなってるんですよ」っていうのをちゃんと伝えてあげないといけないんですね。
それでドンドン、ドンドン未来を見せていってあげるんですよ。
で、しっかりと未来に向かって前に進んでいるんだなということが分かれば、人は頑張れます。
これは分からないと頑張れないんですよね。
「やっぱり自分には無理だ」「もうずっとこのままなんだ」って思っちゃうわけですよ。だっていままでそうだったんだから、いままでそうだったら今後もそうって考えるのが人間の心理なんで、そこを変えていってあげないといけないんですね。
だからしっかりと未来を見せていってあげるっていうことを先生はしてあげてください。
これが「まだ痛い」と言われたときの原因となって、それが起こらないための対応策になってくるんですけども、実際に「痛い」と言われたとき、「この人痛いって言いそうやな」となったとき、こういったときにどういう対応をしたらいいのかっていう部分をお伝えしていきたいと思います。
まず「先生まだ痛いんだけど」って言われるのが多い場面として2つあると思うんですね。
それは何かって言うと、治療後、そしてもう1つは来院時、この2パターンだと思うんですよ。
この2パターン両方とも同じ対策を使ってください。それは何かって言うと、こちら側から言います。
例えばですけれども、来院時を例に出して話をしていきたいなと思うんですけども、入ってきた瞬間ね、いままでとちょっと雰囲気が違うことってないですか?
なんか暗いなとか、ちょっとなんか嫌な雰囲気するな、とかあると思うんですよ。
そういったときに、先生はいままで通りの対応で出迎えたら駄目なんですね。
そういったときはこうやって言います。
「〇〇さん、今日で●回目ですけども、また初回と比べて痛みが変わっていないから不安になってきていませんか?」っていうのをこちらから投げかけます。
そうすることによって相手は「え!?この先生そんなん分かってくれてるの?」みたいな感じになるんですね。
そうすると僕は「そうなんです。まだ痛いんです」「先生まだ痛いんやけど」とかまあ怒り出す人もいますけども、これね、こちら側から言ってるのと、向こうから言われるのって全然流れが違うんですよ。
こちらから言うと「そうですよね。分かってますよ。でも、それはこういう状況だからこうなっていくんで安心してくださいね」っていう風に言えるんですよ。
でも向こうから言われると「あっ、そうですよ」て言っても全部言い訳になるんですよね。
こちらから先に伝えてやっていくと説明になります。
でも相手から言われると言い訳になるんですよ。
これって同じことを喋ってても全然相手の感じ方っていうのも違ってくるので、絶対に先手先手で言葉を投げかけていって欲しいんですね。
だから「ちょっとおかしいな…、ちょっと治り悪いな…」と思ったときは、こちらから堂々と「〇〇さん思っているよりも改善がゆっくりで、ちょっと不安になってきていませんか?」「焦っていませんか?」っていうのを投げかけてあげてください。
そうすることによって、相手は「この先生分かってくれている。いままでと違う。見てくれてるんだ。頑張れる!」ってなってくるんですよね。
そうしていかないと、こちら側もなんか痛みを追いかけだすじゃないですか。
その場でちょっとでも変化させて、納得させないと来てくれないって思っちゃうわけですよ。
でもそうじゃないでしょ。そこで焦って触り過ぎたら早く良くなるのかっていうたら、そういう訳でもないじゃないですか。
本当に適切なことを適切な間隔で、適切にやっていくことが、患者さんにとってのベストになると私は思っていますので、こちらの精神状態が乱れないようにしていくのも治療技術の1つだと思うんですね。
なので、いまそういうことがあってメンタルが揺れ動いて、適切な処置ができないような状況になってる先生っていうのはですね、相手の状況をいち早く察知して、先手先手、先手先手でこちらから話を振っていく、そういった癖をつけていってもらえたらと思います。
参考になったでしょうか?
是非こういった対応をして患者さん自身が改善していくように、良くなってもらわないと意味がないので、良くなってもらえるような対応策を考えてやっていってもらえたらなと思います。
ではそんな感じで今日の動画を終わっていきます。
ではまた次回の動画で、さいなら。
前川先生いつもお心遣いありがとうございます。分かりやすい文章で助かります。