施術の効果測定の見せ方の極意

マインドセット

 

 

森田:前川先生、今回はですね、施術の効果測定の見せ方、注意点だったり、こういうのを意識すべきだよっていうふうなところですね。

多分やっぱり「良くなりましたか?どうでしたか?」っていうのは、お客さんの主観が左右されると思うんですけれども、やっぱりビジュアルで、視覚で見せるって言うのは、すごく納得させやすいとは思うんですけれど、そこでどう意識したらいいか、注意があったりとか言うようなところがあればお願いします。

 

前川:オッケーです。

 

 

人は視覚情報に影響されやすい

 前川:やっぱりまぁ、先生のスタイルにもよると思うんだよね。

痛みを追いたい人は痛みを追ったらいいと思いますし、まぁ先生が何を基準にしているかだと思うんですけど、僕自身はみんながストレスなくやっていけるのが一番良いかなと思っているんですよね。
痛みをその場で取ってあげたらストレスないやんって言われたら、それはそうなんだけども、それって頻繁に起こることなんか言うたら、そんなこと、僕ないと思うので。

やっぱりこう、痛みにフォーカスさせていて、痛みをどうしますよって、痛みを軸に話を進めて行くと、結局どっちも不幸になることが多いんですよね。

いつも言う話ですけど、痛みって取れないんですよ。痛みをずっと追い続けると。
「痛い痛い痛い痛い」、治療しました、「痛い痛い痛い痛い」みたいな。
1ヶ月経ちました。「痛い痛い痛い痛い」みたいな。

 

森田:角度は上がっても、結局痛いっていうことですよね。

 

前川:そうです。「やっぱりなんか、痛いなあ」みたいな。

「これ、取れへんのかな」みたいな。
「それ、普通やから!」みたいな。

「ここで痛いってなんか感じるの普通やで」って言っても、「いやぁ、前こんなんじゃなかった」とか言いだすので。

その痛みをそこまで気にしないようにしてあげるっていうのが、僕すごい重要だと思っているんですね。
「僕は痛みをそんなに治療しませんよ」って言う部分を先に言ったうえで話を進めていきたいな、と思うんですけど。

 森田さんが言われたように、ビジュアルってめっちゃ大事だと思うんですよ。

メラビアンですね、メラビアンの法則ってあるように、視覚情報が約6割ぐらい占めてるよっていうのがあるように、人ってね、視覚情報ですごい影響されるんですよね。

患者さんとかでもそれはすごい分かりやすくて、こちらの説明を相手は納得されて、ちょっと調子良くなってきていたとしても、病院に行ってまた検査されて、MRIとかで「こうやから、悪くなってますよ」って言われたら、めっちゃ心配するし、「悪くなってるみたいやから、先生治療やめとくわ」とかなったりするわけですよ。

いや、ちょっと待って!みたいな。
最初より良くなってて動けてきてるのに、ほんまにやめるの?みたいな。
「でもああやって、MRI出てるらしいから」ってなるわけですよね。

そんだけ視覚から入ってくる情報というのは、やっぱり人に対して影響力が大きいんだよっていう部分があるので。
自分たちも何らかの形で視覚情報に訴えていけるような見せ方っていうのは、やっぱり作ったほうがいいと思うんですよ。

 

 

変化を体験させてあげる

 前川:そこで僕がやってきたのが、めちゃめちゃシンプルなんですけど、膝の高さ。

 

森田:ああ、なるほど。

 

前川:高さが違う。こうね。

 

森田:仰向けで膝を立てる。

 

前川:そうそう。膝、こうやって座ってしてあげてもいい。

膝の高さこうやって見た時に、こうやってみると高くて低いよね、みたいな。

これを治療したら戻るからねって、治療したら戻せるじゃないかって。
こんなの別に正直、治療せんでも戻せるわけですよ。

ポンポンしてやってもそろったりするわけじゃないですか。
なんなら、何もせんでも戻せるわけですよね。

でも、この変化って、お客さんっていうか患者さんからしたらものすごいインパクトあるんですよね。

ましてや、いろんな治療受けてきたうえで来てる人とかやったら、「そんなことをやってきてまでも、私崩れてんの?」と。
「でも、先生にやってもらったらこうなるわ、これはすごいわ」ってなるわけですよ。
結局その変化っていうのが、今までは術者にいろいろ説明されて「良くなりましたよ」とか言われても本人は自覚できずに生きてきた部分が、自分のもとにきてやると分かるわけじゃないですか。

この変化を体験できたって、めちゃくちゃ重要で、受けた人からしたら希望なんですよね、それって。
「あ、ここだったら私、変われるかもしれない」っていう希望に変わるので、それをめっちゃ見せてあげるっていうのは僕は重要かなと思ってますね。

だから、僕の場合はそれやし、後は何があるかな。

あとは横に足を倒したりとかかな。
それはまあ、視覚情報であんまり分からないんだけども、体感として感覚として、やっぱり感じてもらいたいっていうのもあるし。

結局感覚がおかしくなるわけじゃないですか、ずっと痛い人って。
だからそうやってちょっとした変化でも気付くように。
最初分からん人もいますけど、意識してたら何となく分かってくるようになるんで。
そうやって意識させてあげたりとか。っていうのは僕はすごい大事だなと。

いろいろほんまにやってきたので、やってきた中でやっぱりそれが一番患者さんにとって重要なことかな、っていうふうに感じますけどね。

 

森田:普通はだって、横になって「はい、もみもみ」みたいなのが一般的ですもんね、主流というか。
だからいちいちそんな変化を感じさせてもらってきてないというか。
だからそこで、そのどのくらいまわったかっていうのは難しいかもしれないですけど、それを写真に撮って「ほら、結構ちゃうでしょ」ってなったら。

 

前川:ああ、写真とかもいいですよね。

 

森田:ね。僕とかだったら、三脚はここにセットする、患者さんはここに立つというのを決まって、それで前後で撮ったらもう、うそをつけないじゃないですか。

 

前川:ですね。それも写真とか撮るんだったら絶対に決めないと、ちょっとでも条件が違ったら、やっぱり体に問題抱えてる人って気持ちもちょっと曲がってくるんで。
「先生、撮り方違うやん」ってなるんで。

 

森田:そうですよね。仰向けになってSLRとかも、SLRしました、じゃあつま先の先に何が見えてますか、今、みたいな。
この電気が映るか映らんか、みたいな。

そこでまた座ったら条件はまた変わるじゃないですか。また寝ましょう、みたいな。

 

前川:そうですね。

 

森田:だから絶対にそれは寝かしたままSLR上げる主義やって、みたいな。

 

前川:同条件で分からせるってめっちゃ大事ですよね。

 

森田:そうですよね。

 

 

呪いから解き放つ

 前川:だからMRIとかレントゲンってインパクトあるっていうのもあると思うんですよ。

 

森田:ああ、なるほど。

 

前川:多少体勢崩れても一般の人分からないじゃないですか。

ちょっと話それていきますけど、だからこそ、そういったところが武器にしているレントゲンとかMRIっていうのは、僕、撮らせたらいいと思うんですよ。
金払ってでも撮ったらいいと思ってて。

実は僕、「お金僕が負担するから撮ってきて」って言って撮ってきてもらったりするんですよ。

 

森田:へえ! なんでですか?

 

前川:何でかって言うと、MRIで「めっちゃ出てるから手術やで」って言われて来る人ってめっちゃ多いじゃないですか、僕らのところって。

で、ちゃんとしていったら23ヶ月で良くなってくること多いじゃないですか。
そう言う人は「良くなった、先生、ありがとう!」って普通に卒業していくんですけど。
それって相手にとって全然良くないと思っていて。

どうせまた痛くなって、MRI撮ったらまた「ヘルニアや」って言われて、また「私ヘルニアやから、あかんのや」っていう感覚になるわけですよ。
だから「ヘルニアやってても大丈夫だよ」っていう感覚にしてあげないと、僕らって相手のためにやっていると思わないんですね。
だから、良くなりました、と。

MRIやったらお金かかるわけじゃないですか。出したくないですよね、普通だったら。
「僕出すから、撮ってきて」って言って撮ってきてもらったら、大体同じなんですよ、画像が。

じゃ、そこで「画像同じですね、でも痛みは?」って「全然ないわ、先生」「じゃあこれ気にしなくていいんちゃいます?」みたいな。
僕ら診断はできないからね。あれですけど「いけんちゃいます?」みたいな。

そんならその人も「ほんまやな、先生。私これ関係ないわな」みたいな話になってくるわけですよ。

で、それをやってあげることで相手はそういうヘルニアの呪いから解き放たれると思いますし、そういった例が5例、10例集まってきたら、ホームページ載せてしまえば、めちゃめちゃすごくないですか。

 

森田:確かに。

 

前川:そのビフォーアフターで出してるところ少ないと思うんですよね。
じゃあそれをやりまくっちゃえば全然いいと思うんですよ。
ていう部分でも、僕はそうやってめちゃめちゃ武器になると思いますよ。

 

森田:そっか。同じ条件でやっぱり目で見てもらうかどうかですよね。

最初言っていたみたいに「ちょっと肩上げたら痛い」「ちょっと良くなりました」「まだ痛い」っていうそういうゲームをしているわけじゃないんですよね。

 

前川:そうじゃないんです。はい。

だから本当にね、相手のことを思うんだったら、そこまでちゃんと言ってあげたほうがいいと思うんですよね。
とりあえずオッケーじゃなくて。

だってね、お医者さんの言葉って一番影響力あるわけじゃないですか。
僕らは何言ってもだめなわけで。だめなことはないけどもやっぱり。

 

森田:ちょっと弱いですよね。

 

前川:そう、権威性として弱いわけで。

でも実際そんなんがあっても痛みがないのは、腐るほどいてるわけで。

その分もちゃんと伝えてあげないといけないと思うので、やっぱり自分事になっている間にそれを伝えてあげるっていうのは、すごい重要なことかな、と思っております。

 

森田:ありがとうございます。

 

前川:はい。

 

森田:なるほど。まあ、ビフォーアフター皆さん絶対やってるとは思うんですけど、今お話してもらったようなちょっと工夫ですよね。

同じ条件にするとか、そこに対する説明をどうするとかっていうところのエッセンスをちょっと組み入れるだけでも、対応とかお客さんの反応は変わってくるんですよね。

 

前川:全然変わってきますよね。

 

森田:そう思いますよね。はい。というわけです。

 

前川:ありがとうございます。

 

森田:こういうふうな感じで「施術の効果の測定」ですね。

どういうふうに考えますか、っていうようなところをお聞きしました。

ありがとうございます。

 

前川:ありがとうございました。

 

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